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傍観者を望む 番外

傍観者16を執筆する前、一段落着いたし脇道の話でもと思って書いたけど、結局取り止めたブツ。
扱いに困り、でも折角書いたんだし、どうせだからこの場で晒してみる。
ぶっちゃけ一番最後のを書きたかっただけ。他のはついで。白石贔屓。

※主人公の名前は久瀬千那
※名前のないガヤが多数出演
※今後の本編に絡む・通じるかは謎









【 01 】 その後の図書室にて

「久瀬ちゃ~ん? その、何かあったん?」
「……何ですか、薮から棒に」
「いや、何や今日は雰囲気がピリピリしとるし、心なしか手元が荒いし、珍しいな~思てん」
「…………そう思われるのなら、今のわたしには近付かないのが賢明ですよ。何かの拍子に、鹿又さんへの日頃の鬱憤が爆発して、手が出るやもしれませんから」
「え、まさかの八つ当たり宣言!?」
「精々日頃の不実な己を呪ってください」


【 02 】 翌朝流れていた噂の一例

「なあ、財前くんに彼女がおるって話聞いた?」
「聞いた聞いた! 昨日ごみ捨て場の近くでいちゃついとったらしいやん!」
「それな、相手は三年生らしいねん! さっき別な子から聞いた話やと、図書委員会の委員長やってる人らしいで。何ちゅう名前やったかな、えっと……?」
「……それ、もしかして“久瀬”っちゅう苗字やない? ほら、一氏先輩とめっちゃ仲ええ人おるやん。確かあの人、図書委員長やったはずやで」
「あ、せやせや! 確かそんな名前やったわ!」

 そして以下、憶測と侮辱の嵐。


【 02 】 噂を知った知己の見解

「久瀬さんと財前が?」
「財前ってあれやろ? テニス部の、二年で唯一のレギュラーなったっちゅうて、この間まで女子に騒がれとった」
「せや、その財前くんや。聞くところによると昨日の放課後、学校の人気がない場所で二人が乳繰り合っとったらしいで」
「ぶっ! あっ、あああ朝から何ちゅうこと言うとんねん!?」
「自分こそ朝から何を想像しとんねん」
「それはそれとして、その噂、明らかにガセやん。噂がホンマやったとしたら、つまり久瀬さんと財前が付き合うとるっちゅうことやろ? そんなん一氏が認めるはずないで」
「ウチもそう思うわ。そもそも千那って、超の付くウブっ子なんやで。すぐに赤うなって恋バナも碌にできひん人間に、校内で乳繰り合うとかハードル高過ぎやわ」
「ちゅうかまず、恋人同士になるんが至難の業とちゃう? 久瀬ってアレ、「付き合ってください」の告白に真顔で「どこへ?」て返した、漫画みたいな伝説を持っとる人間やし」
「せやな。まあ、何があったか知らんけど、一つだけハッキリしとんのは」
「犯人が救いようのないアホやっちゅうことやね。喧嘩売るには相手が悪すぎんで」
「久瀬って慕われとるかんなぁ。敵に回すと、本人は勿論やけど周りが、なぁ?」
「……おお」
「……おん」
「……。新たな伝説誕生の予感やな」


【 02 】 噂を知った白石友香里の心情

(千那ちゃんが、そんなんするはずないやん! 何にも知らんでみんな勝手なこと言うて……! そもそも千那ちゃんにはクーちゃんが ――― せや、クーちゃんは何しとんねん!? ウチに学校では千那ちゃんと関わるなとか訳のわからんこと言うて、自分も知らん顔しとるみたいやけど、そんなんやから横から手ぇ出してくる人がおるんやで!! あー、もう! 後でお姉ちゃんに報告して、クーちゃんには帰ったらガツンと言ってやらな!!)


【 03 】 部活中の白石蔵ノ介の心情

(在り得へん、在り得へんやろ。確かに千那も光も図書委員やから接点はあるけど、ほんまに在り得へん。前はユウジとで、今度は光とかいな。在り得へん。人が、俺が今までどんだけ我慢して来たと思てんねん。俺かて家でだけやのうて、学校でも千那と一緒におりたいっちゅうのに、千那に迷惑掛ける訳にはいかへんからずっと我慢して来たっちゅうのに、これやったら意味ないやん。人が必死こいて堪えてるっちゅうのに、せやのに……!)


【 04 】 千那の帰宅を待つ間の白石

「噂が気になって思わず来てしもたけど、どないしょう。切り出し方も何も、全然考えてへんかったわ。――― いやいやいや! 待つんや蔵ノ介。よう考えてみ、あの千那やで? あの千那がまさか、なあ? 真相を訊くんも何も、千那は見た通り操の固い奴や。噂がほんまな訳ないやん。…………遅いな、千那。そういえばこの部屋の、千那の香り、何やったかな。香水の類いやないんは確かやったはずやけど。……あかん、気ぃ紛らわそ思とんのに、逆に頭ん中ごちゃごちゃになってきたわ。……。…………すぅー……」


【 04 】 その後の白石家

「ただいまー」
「クーちゃん!!!」
「どわっ!? な、何や友香里か。びっくりさせんといてや」
「何や友香里か、やないでクーちゃん!」
「せやで、クー」
「げっ、姉貴……!」
「人の顔見てげって何や、げって。失礼なやっちゃな」
「い、いや、その……め、珍しいやん、姉貴がこの時間家におるなんて。今日はバイトないん?」
「阿呆、バイトに行っとる場合ちゃうやろ。休みもろて大学から直帰や。……友香里に聞いたで」
「うっ、お、おん……」
「今まで千那のとこおったんやろ。さあ、詳しく説明してもらおやないか」
「ハ、ハイ……」

 男女の間に越えられない権力差がある白石家。その縮図と一例。


【 06 】 小春と目が合った後の白石

(千那と、ユウジが何やねん。ちゅうか小春と財前は何を話しとんのや。千那の名前が出てたっちゅうことは、あの噂のことか? いや、せやったらユウジの名前が出てた意味は何や……?)
「白石? どうかしたんか?」
「え、あ、いや! 何でもあらへん!」
「? ほなら、ここは俺に任せてラリー行ってき。順番もうすぐやで」
「お、おん。頼んだわ、小石川」


【 13 】 小春の野暮用

「古賀く~ん!」
「んあ? おー、金色やないか。どないしたん?」
「実は千那ちゃんのことで、古賀くんにおね」
「――― 師匠のこと!?」
「え、師匠?」
「師匠が何やて!?」
「あ、金色先輩や! 先輩、師匠のあの噂ってホンマなんですか!?」
「アホ! 師匠に限ってそないなことある訳ないやろ!!」
「せやったら昼休みのことは!? 何で師匠びしょ濡れやったん!!?」
「あと、師匠と白石ってどういう関係なん!? 聞き間違いやなかったら、二人して名前で呼び合っとったよな!? ま、まさか付き合うとるなんてことは……!!?」
「イヤー!! 師匠が穢れるー!!!」

 落ち着いて話ができるようになるまで、十分以上掛かりました。


【 14 】 任務を完了した古賀と剣道部

「あ、帰って来たで!」
「部長ー!!」
「おー、部員全員で出迎えか? 愛されとるんやなぁ、オレ」
「師匠はどうやった!?」
「――― って、やっぱ目的はそれですよねー。どうもこうも、普通にピンピンしとったで。水掛けられたことも気にしてへんみたいやし」
「やっぱりか。流石は師匠やな」
「せやけど明日になったら風邪引いとるかもしれへんし、心配やわぁ」
「そうなったら犯人突き止めて叩き潰すまでや!」
「せやせやっ!!」
「アホ。そないなことしたら、オレらが師匠に叩き潰されてまうやろ」
「あ、せやな」
「ほな、どないする?」
「どないしょか?」
「……何もせんでええわ」

 慕われてるというか、愛されてる?


【 15 】 返って来たジャージと白石

「白石ー、今日の体育何するか知っとるか?」
「体育館やから、バスケとかちゃう?」
「バスケかぁ、短距離走のがよかったんやけどな……」
「はいはい。謙也はほん、ま、に……」
「……白石?」
「……」
「おーい、白石? 急に固まってどないしたん? ちゅうか自分、中途半端やで。ジャージからはよ頭出せっちゅう話や」
「…………、ん……」
「は? 何やて?」
「――― あかん!!!」
「ぬおおっ!!? な、何やねん急に!?」
「あかん。これはあかん、どないしょう。ちょっ、まっ、ほんまにあかん!!」
「何がやねん!!!」
「せやから! ジャージ、千那の、あ、うっ……」
「は? 久瀬さんが何やねん。ちゅうか自分何で顔赤いし、片言なん?」

 ジャージから千那(の部屋)の香りがして、(千那がほぼ地肌の上に着てたとか、これ一枚越しに千那を抱き締めたとか、自転車に乗った時に背中に当たってた感触とか)いろいろ蘇り、とてもじゃないけど着ていられない白石蔵ノ介(思春期真っ直中)。
 因みに例の一件が父親にバレないために、千那が自室で干した結果。


お粗末様でした!

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