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一中学生の彼ら

依存夢に出てくる主人公って、どうして悉く性悪なんだろう?
そんな疑問から生まれたネタだけど、主人公が歪んでない分キャラたちが歪んで、主人公が憐れになった。






「……あれ? また来てたの?」

 パタンと本を閉じた音に、うつらうつらしていた意識が浮上する。
 すぐ隣を振り仰ぐと、それまで読書に耽っていた彼女はもう一時間近く前からいた俺の存在にようやく気が付き、瞠目していた。

「うん。もしかして迷惑だったかい?」
「まさか。でも来てたなら、一声掛けてくれればよかったのに」
「集中してるみたいだったから邪魔しちゃ悪いと思ってね。ところでその本、そんなに面白いのかい?」
「うーん、話としてはまあまあかな。けど言葉選びがとても綺麗でね、そこは素敵だなって思ったよ」

 いつも通りテンポのいい応酬に頬が緩むのを自覚する。
 同時に胸の奥にあった強張りが解けていくのを感じて、さっきまでの微睡みが戻って来てふわふわと心地いい。

 嗚呼、やっぱり彼女の隣は落ち着く。
 先輩も同輩も後輩も、更には教師陣までもが俺を、俺たちを特別視して羨望し嫉妬し、時には嫌厭するけど。そんな評価に囚われない彼女といる時だけは、ただの一中学生でいられる。
 それが嬉しくて、幸せで、何よりも手放し難い。

 依存、してしまう。

「……眠いの?」
「え、あー……少しだけ。ごめん、話の途中なのに」
「ううん、気にしないで。だけど疲れてるなら、早く帰って休んだ方がよくない?」

 気遣いは凄く嬉しいけど、彼女とこうして過ごせる時間は貴重だから。
 ぼんやりする頭でゆるゆると首を振ると、彼女が苦笑する気配がした。一瞬呆れられたのかと思ってぞっとしたけど、ふと頭を撫でられてほっとする。

「お疲れ様」

 彼女がいる図書室のカウンター内。
 椅子に座る彼女の傍らで行儀悪くも床に座っている俺と、彼女だけの時間。

 そんな“今”が永遠に続けばいいと思う俺は、もうとっくの昔に、彼女なしでは生きられなくなってる。


********************


▲幸村イメージで概要文

主人公は座右の銘が『自分は自分。他人は他人。』の少しマイペースな子。
でもだからこそ、誰のことも特別視しないし特別扱いもしない。
故に彼らがあれこれ騒がれたり羨望されたり嫉妬されたり、或いは嫌厭されたりする理由が全く理解できない。確かに凄いなーとか格好いいなーとかは思うけど、主人公に言わせればただそれだけ。
それがどうした。だから何だ。そんな感性の持ち主。

一方の彼らは、あんな形をしてしていても中学生な訳ですから。
周囲が自分たちを特別扱いする中、“普通の”対応をしてくれる主人公の存在が唯一と言える救いになってる。でも当人は微塵も気付いてない。
だって主人公はただ“普通に”接してるだけで、何か特別なことをしたり言ったりした訳じゃないから。
まあだからこそ、彼らにはただの一中学生として接してもらえたことが嬉しくて仕方ない。

で、結果主人公への依存に発展。自覚はそれぞれあったりなかったり。
主人公からしたら、自分の中の当然に則ってただけなんだけどね。


なんて、然程珍しくない設定です。
学校という閉鎖的な環境じゃ世界(視野)が狭くても仕方ないよね。

しかし注意してもらいたいのが、この関係が持ちつ持たれつではないことです。
彼らにとって主人公はなくてはならない存在でも、主人公にとって彼らは同じ学校に通う先輩・同輩・後輩なだけで、精々友人の間柄。
主人公には他にも友人がいるし、異性は彼らだけじゃないから他に恋人ができる可能性が十二分にあれば、クラスや学年が違くて疎遠になることもある。

つまりあれ、一歩間違えば迷うことなくヤンデレルートへ直行します。


で、そんな状況に逆ハ狙いを投入する鬼仕様なのがこのネタ。

因みに補正なんてありません。
仮にあったとしても、主人公への依存に比べたら屁みたいなものです。


逆ハ狙いはバカではないけどアホな子。
嫌悪や排除に発展する逆ハ狙いとは違ってそれなりに上手く立ち回るんだけど、瞳とか雰囲気に欲望が滲んでて結局意味がない。何よりもボキャブラリーに乏しい発言が彼らの地雷を踏みまくってる。
だって凄いとか格好いいとかの具体性がない賛辞なんて、“ただの”中学生である彼らにとっては重荷でしかない。

まあ具体性のある賛辞を送れるだけのボキャブラリーが逆ハ狙いにあったとしても、欲望がギラついてる人間に言われたところで何一つ響かないけど。
んで、そんな自分の言葉が彼らを鬱にさせてることに気付かない逆ハ狙い。

結果:主人公の有り難みが更に増す=依存度上昇=ヤンデレルート突入の可能性フラグ乱立

普通に生活してるだけの主人公からしたら迷惑以外の何物でもない。自分が与り知らないところで当事者になってるし、フラグは乱立してるし…。
逆ハ狙いの処遇は結末によりけり。ただ救いがないことは確定かな。


今……気付いたけど、このネタってどっちに転んでも彼らしか得しないわ。

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