主人公は神様に選ばれて特典付きトリップを果たしたテニプリ大好き!な子。
特典と打算的な言動で男女を問わず周囲に好かれ、特別好きなキャラとはいつ恋人同士になってもおかしくないいい雰囲気と、見事に順風満帆なトリップ生活を手にします。よくある話です。
そんなある時、その特別好きなキャラから好きな人の話題が。
相手は第三者で、もうすぐ彼と付き合うつもりでいた主人公には、正に青天の霹靂以外の何物でもありません。
更に驚くべきは、他のR陣どころか老若男女を問わない誰もが、同じ人物に恋情や友情を問わず、何かしらの好意を抱いているということ。完全な逆ハーレム状態です。
しかも、その事実を誰も疑問に思っていない。寧ろ当然だと思ってる。
その存在は特典付きの自分より遥かに容姿端麗で頭脳明晰。家柄は世界屈指の大富豪。
『世界』の愛を一身に受けながら、その愛に一切見向きもしない。すべてに対して無関心な女の子でした。
神様に選ばれた自分が愛され主人公だと思っていた主人公は当然ショックを受け、何よりも怒りと嫉妬を覚えます。
そして主人公は本当の愛され主人公を排除しに掛かるけど、構図的には【自分VS世界】なので、結果は語るまでもなく。
敢えて言うなら、文字通りの消滅ENDで決定です。
そして、話はまだ続き。
本当の愛され主人公は、実は転生トリップした子。
前世では少しお人好しな性格をした普通の女の子で、家族や友人や周りの環境を愛し大切にしていました。
ところがある時、不幸にも突然この世を去ることになり、その間際に死にたくないと強く思ったのを、実は彼女の魂を愛しずっと見守っていた神様が聞き届けて転生。
でも、彼女が死にたくなかったのは前世の家族や友人たちを愛していたから。
彼女が生きたかったのは前世の世界で、テニプリの世界じゃない。だから何事にも無関心なのです。
還りたくても還れない。もう一度死ねば還れるかもしれないけど、彼女を失いたくない神様が邪魔をして死ねない。
生きているというより、生かされてる状態ですね。
そんな彼女が現世に関心を向けるきっかけになればと投入された異物が、思い込みの愛され主人公。
神様にとって、本当の愛され主人公以外は道具として使えるものなのでした。そんな結末。
おまけに愛され主人公の心が変わることは結局なかったし、思い込みの愛され主人公は本当の愛され主人公に仇なそうとしているし、誰も救われないバッドエンド。
仮に愛され主人公の心が変わり、それをきっかけに誰かと結ばれても、勘違い主人公がキャラと結ばれることは在り得ないから、バッドエンドに変わりはなく。
そんな誰も救われない話。